結局どのファームがどのジャンルに当たるのか、整理されてる記事が少なくて……。就活生や転職希望者にとっては、めちゃくちゃ大事な視点だと思うんですよね。

確かに。しかも最近は“戦略系だけど実行支援もやってる”とか、“会計系だけどAIにも強い”とか、複雑になってきてる。今回は、なるべくシンプルに、ジャンル別に代表ファームをまとめてみようか。

1. 戦略系コンサルティングファーム

“経営のど真ん中を考える”のが戦略系。企業の方向性や新規事業をどう立ち上げるか、みたいな問いに答える仕事が多いな。

少人数・高密度・短期間で、まさに“ザ・コンサル”ってイメージです。
仮説思考が求められる場面が多そうです。

代表的なのはこのあたり。

マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)

世界的にも有名ですよね。日本でも官民問わず影響力が大きいと聞きます。

日本では早くから根付いていて、CXO直下のプロジェクトが多い。特に公共政策や医療・エネルギー領域にも強い。

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

“PPM”とか“経験曲線”を作ったファームですよね?

うん、戦略フレームワークの礎を築いた老舗だね。最近はAIやサステナビリティ系の案件にも強い。

ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)

“実行支援に強い戦略ファーム”という印象です。

その通り。PEファンドとの関係も深く、買収後の企業再生や成長戦略を描くのが得意分野。

アーサー・D・リトル(ADL)

アメリカ最古のコンサルファームでしたっけ?

そう。日本では技術系企業や製造業との相性がいい。R&D戦略やイノベーションに特化した支援が強い。

ローランド・ベルガー(Roland Berger)

ヨーロッパ発のファームですよね。

ドイツ系で、製造業やオートモーティブ業界に強い。中長期視点での構想立案を得意としてるね。

2. 総合系コンサルティングファーム

総合系は“幅広い経営課題に対応するワンストップ型”って感じ。戦略もやるし、業務改善も、人事も、IT導入もやる。

プロジェクトのテーマも多岐にわたるし、組織も大規模ですよね。
また、各社で得意分野が違う印象もありますね。アクセンチュアはテクノロジー系に強かったり、PwCはガバナンスとか。

そのとおり。BIG4と言われるファームは、監査・会計系の知見がベースにある分、規制産業とかにも強いよ。
代表的なのは以下の通り。

アクセンチュア(Accenture)

テクノロジーにめちゃくちゃ強いですよね。生成AIとかも活用してる印象があります。

そう。IT起点での戦略・業務・組織支援が強み。グローバル×テクノロジーで日本市場を牽引してる。

デロイト トーマツ コンサルティング(Deloitte)

会計・監査出身の信頼感と、経営管理のプロフェッショナルというイメージです。

中計策定から人材戦略、業務構造改革まで一気通貫。医療や金融などレギュレーションの厳しい業界にも強い。

PwCコンサルティング(PwC)

ESG・ガバナンス・サステナ領域にもかなり力入れてますよね?

そう。サステナ×テクノロジーの掛け合わせに強い。経営戦略+リスク管理で独自色出してるね。

KPMGコンサルティング(KPMG)

データ分析や監査系の視点から業務改革に入っていくスタイルが印象的です。

KPMGはリスク系・IT内部統制などコンプラ周辺が得意。グローバルIT統制やガバナンスも支援範囲にしてる。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EY)

EYは戦略ユニットの独立性が強めな印象です。

そうだね。特にPE支援や新規事業領域、クロスボーダー系の戦略PJに力を入れているよ。

3. IT系・SIer系コンサルティングファーム

もともとシステム開発が主だったファームが、上流工程まで担うようになってきた流れだな。
ただし、最近はBPR(業務改革)やDX支援も当たり前になってきてる。エンジニア経験のあるコンサルも多い印象だね。

IT視点で業務課題を整理してくれるから、現場からの信頼も厚そうですね。

NTTデータ

日本最大級のSIerというイメージです。公共系にも強いですよね?

官公庁や金融を中心に、長期案件に強い。安定感と技術力が抜群。最近はコンサルティング部門の拡大も進めてる。

野村総合研究所(NRI)

証券業界向けのシステムって、NRIのイメージが強いです。

そこは間違いない。野村證券のシステムを起点に、金融系とリサーチの両輪が特徴。戦略にも踏み込む。

TIS

薄っすら社名聞いたことがあるくらいで、正直どういう会社か知らなかったです。。
お恥ずかしい、、、

もともとはSIが強いけど、最近は製造業・流通業向けの業務変革支援でもプレゼンス上げてるよ。

富士通

システム導入だけでなく、最近は戦略フェーズにも進出してる印象です。
我々も一度PJで一緒になりましたよね。

あったな笑
クラウド、セキュリティ、人材育成などで社会実装に近い支援が多いかな。

NECソリューションイノベータ

NECグループにはアビームもいますが、アビームは総合系、NECソリューションイノベータはIT系で切り分けてるんですかね?

そのイメージであってるはずだ。
NECソリューションイノベータは公共・防災系に強く、地域密着型の課題解決にも積極的。地方自治体や医療系のプロジェクトも多いよ。

4. 会計・財務系コンサルティングファーム

いわゆる“FAS”と呼ばれる領域ですね?

そう。M&A、財務デューデリジェンス、バリュエーションなど、ファイナンスに特化した専門家集団だな。

金融機関とのやりとりが多い分、プロフェッショナリズムが強く求められる感じですね。

PwCアドバイザリー

監査法人との連携も強いし、案件数も豊富ですよね。

そう。買収前のDDやバリュエーションだけでなく、買収後の統合支援(PMI)にも関与する機会が多い。

KPMG FAS

事業再生や法的整理にも対応している印象があります。

金融庁や裁判所と連携するケースもある。財務アドバイザリーに加え、ターンアラウンド案件にも強い。

EYトランザクション・アドバイザリー・サービス

クロスボーダーM&Aに強いですよね。

グローバル連携での案件対応が得意。PEファンド案件も多い。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(FA)

近年の成長スピードがすごいと聞いています。

国内外問わず、DDやPMI、インフラM&A支援にも注力していて、特に中堅〜大企業の顧客が多いな。

GCA(フーリハン・ローキー)

日米欧をまたぐ独立系FAですよね?

特定の会計グループに属さず、クロスボーダー案件の独立支援に強い。中立的立場での助言が特徴。

5. シンクタンク系・リサーチ系コンサル

政策提言や公共系の支援、業界分析なんかが主な領域だな。
いずれも就職先としては人気度がぐんぐん上がっている。

野村総合研究所(NRI)

ITと調査リサーチが両立してるのが強みですよね。
いつかの東大生人気就職先でも1位取ってましたね。

日系コンサルでは珍しく、上位に入ってたな。
金融・証券系への深い知見と、官公庁との関係性があるのが特徴。コンサルとシンクタンクの中間のような存在だ。


三菱総合研究所(MRI)

公共政策やエネルギー問題の分析で名前をよく見ます。

三菱グループの知見を背景に、官公庁向けの長期的な政策分析や社会課題の解決に取り組んでる。

日本総合研究所(JRI)

SMBCグループ系ですよね。金融×リサーチの印象です。

ITソリューションも展開していて、デジタル政策や業務改革との接点も強い。

みずほリサーチ&テクノロジーズ

環境・エネルギー政策のレポートで名前をよく見ますね。

みずほグループのシンクタンク。理工系人材が多く、実証実験や科学技術領域の分析に強い。

大和総研

経済リサーチや金融政策系が得意な印象です。

大和証券グループのシンクタンクで、マクロ経済や金融業界向けの調査力が高いね。

6. 特化型・新興系ファーム

最近は“特定領域に尖った”ファームも増えてきてる。あとは、日系で独立系ながら急成長しているファームも見逃せないね。

ベイカレント・コンサルティング(総合型×独立系)

東証プライム上場の独立系ファームですよね。日本企業への支援が中心だとか。
最近すごい勢いで採用伸ばしているみたいですよ。

その通り。戦略・業務・ITすべてをカバーする“総合型”ながら、日系企業への深い理解が強み。新卒からコンサルを目指す層にも人気が高まってる。働き方や給与水準も注目されてるよ。

ビジョン・コンサルティング(戦略+テック)

すごく成長スピードが速い会社ですよね。若手にも裁量があるって聞きます。

うん、戦略とITのハイブリッド型。スピード感や変化に富んだ環境を好む人に向いてるね。

フューチャー(SCM・テクノロジー)

サプライチェーン領域の強さが印象的です。エンジニアバックグラウンドの人も多いですね。

顧客企業の基幹系システムを支えつつ、業務改革まで踏み込む。実行まで一気通貫の支援が特徴的だな。

インクルージョン・ジャパン(スタートアップ支援)

スタートアップの事業成長を支援するって珍しいポジションですね。

出資や事業伴走までやるケースもある。“事業を創る”を体現したファームだね。

シグマクシス(変革・共創支援)

変革というキーワードが強調されてる印象です。

社会課題と企業課題をつなぐ“共創”がキーワード。コンサルの枠を超えて企業文化に入り込む支援をしてる。

Xspear Consulting(DX特化)

設立は新しいけど、大手出身者が多いんですね。

デジタル戦略・業務改革の実行支援を得意とする少数精鋭型。大手志向の人にもハマると思う。

Fracta Leap(生成AI×事業創造)

生成AIの活用に特化してるって、今っぽいですね!

まさに最先端。大企業と共に事業共創したり、PoC設計からハンズオン支援までやるスタイル。尖ってるけど、ニーズは右肩上がりなんじゃないかな。

まとめ

こうして見ると、ジャンルごとに個性が出てますね……。知名度や規模だけじゃなく、自分の志向に合うジャンルから見てみるのもアリかも。

そうそう。“何をやりたいか”を深掘りしてからファームを選ぶと、納得感のあるキャリアになるはず。今後も新しいタイプのファームは出てくるだろうから、まずは“軸”を持つことが大事だな。