どこのファームがいいのか”ってよく聞かれるんですけど、正直どう分類して説明すればいいのか迷うことあります。。。
それはあるある。実際、分類軸がいくつもあるし、ひとことで割り切れるもんでもないからな。今回は、大まかに3つの類型で整理してみようか。
そもそもファームの“分類”には、領域(何をやるか)・立ち位置(誰を相手にするか)・組織構造(どう動くか)など、いろんな切り口がある。ここではあえて、就活生や転職者が最も目にする“戦略系・総合系・IT系”の3分類で話を進める。
【1. 戦略系ファーム】
“ザ・コンサル”って言われがちなのが、戦略系ファームですね。
そう。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーが三大戦略系ファームと呼ばれている。他にもローランド・ベルガーやアーサー・D・リトルなどがある。 企業の経営層に近いポジションで、“数年後の会社のありたい姿”を描き、そのための選択肢を提示するのが主な役割だ。短期間・高密度でのプロジェクトが多く、仮説思考、構造化力、ファクト分析が求められる。
いわゆる“仮説思考ドリブン”で、課題解決の設計者って感じですね。最近は実行支援まで入るケースも増えているとか?
その通り。昔は“戦略屋”のイメージが強かったけど、最近はPMI(M&A後の統合)や、AI・デジタル領域の立ち上げなど、泥臭い実行も重視してるな。
【2. 総合系ファーム】
ここは領域が幅広すぎて、定義があいまいになる印象があります。
代表格は、アクセンチュア、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングだ。これらは“BIG4”と呼ばれることも多い。 戦略、業務、会計、IT、人材などテーマが非常に広く、プロジェクトも多様。各社にはそれぞれ強みがあって、たとえばアクセンチュアはテクノロジーとの融合、デロイトは会計・経営管理領域、PwCはリスクやサステナビリティ対応が強いなど、特色もある。
一社の中に“戦略部門”もあれば“IT導入”もある。部署間連携やスキル選択の幅も大きいですね。
そう。社内での“専門軸+横連携”が重要で、個人のキャリアとしても“ジェネラリストorスペシャリスト”の選択肢が豊富。社内異動も比較的柔軟なところが多いよ。
【3. IT系ファーム】
システム導入や開発のイメージが強いですが、近年は上流支援にも進出してますね。
代表的なのは、NTTデータ、野村総合研究所(NRI)、TIS、富士通、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、SCSKなど。もともとはSIer(システムインテグレーター)として大手企業向けにシステムを作ってきたが、今はBPRやDXの構想立案から関わるケースも増えている。 “ITに強い業務コンサル”という立ち位置だな。現場感や業界知識に長けた人が多い印象。
エンジニア出身者が多く、IT視点で課題を構造化してくれる安心感がありますね。
そう。特にERP導入、クラウド移行、セキュリティ対応など“手触りのある課題”に強い。開発チームと一体となって動けるのも特徴だな。

コンサルファームって、“似ているようで全然違う”んですね……。ファーム名だけでなく、“何をやっているか”まで掘ると見えてくることが多いですね。
うん。“やりたいテーマ・なりたい自分・合う組織”の3つの軸で見ていくと、選び方も変わってくる。あとは実際に働いている人に会ってみるのが一番だな。
今回は、コンサルファームの分類について、戦略系・総合系・IT系という代表的な3軸から整理してみました。 同じ“コンサル”でも、プロジェクトの中身も、クライアントとの距離感も、キャリアパスも全く異なります。 どこで自分の力を発揮したいか、どんな強みを磨きたいか、少しでも明確になれば幸いです!