“コンサルファームって結局何してるの?”って聞かれること、多いですよね。

そうなんだよ。コンサルタントは“会社の課題を解決する”っていうのは前回話したけど、じゃあ“ファームとしての役割って何?”って聞かれると、意外と説明が難しい。

実際、僕も入社前は“ハイスぺックな人たちが集まって、すごい提案をしてる場所”くらいのイメージしか持ってなかったです(笑)

今日は、コンサルファームが企業や社会の中でどういう“機能”を果たしているのか、5つに分けて整理してみようか。

大きく分けると、こんな5つの役割があると思う。
1.知見の提供
2.人手(リソース)の補完
3.客観的な視点の提示
4.意思決定の加速
5.プロジェクト推進のドライバー

なるほど……。一つずつ噛み砕いて見ていきましょう!

【1.知見の提供】

まずは”1.知見の提供”。
コンサルって“ナレッジビジネス”とも言われるけど、業界横断のベストプラクティスとか、最新のトレンドを引っ提げてクライアントに価値提供する。

たしかに、現場では“他社ではどうしてるんですか?”ってよく聞かれますね。

そう。それをお客さんの自社だけで集めるのは難しいから、コンサルファームには“横断的に見てる外部”としての価値があるんだ。加えて、ファームの中でもナレッジ共有が進んでるから、過去の成功事例・失敗事例が資産として蓄積されてる。それを引っ張ってこられるのも強みだな。

確かに、ファームによっては過去のPJ事例がナレッジ化されてますよね。
僕も時間があると覗いてみて、資料作成やPJの進め方など参考にしてます!

【2.人手(リソース)の補完】

人手不足で、プロジェクトを回せないからコンサルに声がかかるケースもありますよね。

そうそう。特に専門性が必要なDXやSCM系は、“中にやれる人がいない”って状況が多い。だからファームが“プロジェクト単位で動ける専門チーム”として使われる。期間限定で戦力投入できる“即戦力チーム”って感覚かな。

実際、クライアントに『即戦力で動ける人が欲しかった』って言われたこと、あります。

【3.客観的な視点の提示】

これは“外部だからこそ言えること”ってやつですね。

まさに。社内の関係性とかバイアスが絡む中で、外部だからフラットに言える。“忖度なく指摘してくれる”って信頼されることも多い。特に、既得権益の調整や部門横断の利害対立がある案件では、“外部のお墨付き”があるだけで社内が動きやすくなることもある。

自分の意見としては通しにくいことでも、“コンサルが言ってる”と伝えると通る……みたいな使われ方、たしかにありますね(笑)

【4.意思決定の加速】

社内で議論が停滞していたのに、コンサルが入った途端に“決まる”ってケースありますよね(笑)

あるある(笑)。意思決定者に直接提案したり、資料で腹落ちさせたり、“決めるきっかけ”をつくるのもファームの仕事の一つ。しかも、利害調整が伴う場面では、“整理役”として間に入ることも多い。

僕も、経営層と現場の温度差が激しかったプロジェクトで“翻訳役”みたいな立ち回りをして、意思決定を前に進めたことあります。
一つ前の【3.客観的な視点の提示】によって意思決定が加速する面もありますよね。

【5.プロジェクト推進のドライバー】

これはいわゆる“PMO的な役割”も含みますか?

うん。進捗管理・関係者調整・ファシリテーション。社内だけでは回らない部分を“推進力”で補ってる感じだな。要するに、“誰かが旗振りをしないと進まない”状況って意外と多くて、その旗振り役を担うことが多い。

確かに、どれだけいい案があっても、回す人がいないと絵に描いた餅ですもんね。そこを地道に回す役割って、大きい気がします。

こうやって見ると、コンサルファームって“知見と行動力を提供する外部チーム”みたいな存在ですね。

うん。言い換えれば、“専門性を持った伴走者”とも言えるな。知見も手も、判断材料も全部持って走れる存在。

今回は、コンサルファームの5つの役割を整理してみました。 実務をやっていると、“提案してるだけじゃないんだな”と実感する場面が多いです。 どれか1つでも欠けると、クライアントにとっての価値が大きく下がってしまう——だからこそ、1つ1つの役割を意識して取り組みたいですね。