先輩、就活生からよく聞かれるんです。「コンサルって結局何する仕事なんですか?」って。
それな(笑)「経営者にアドバイスして高いフィーもらってる」って思ってる人、まだ多いからな。
はい。僕も学生時代は「戦略コンサル=ずっとパワポで経営戦略を考える」って思ってました。
いやー実際は、もっと泥臭くて多様だぞ。今日は“理想と現実のギャップ”をちゃんと整理して話そう。
1. コンサルの「理想像」と「現実」
就活サイトや説明会でよく出てくる理想像ってこんな感じですよね。
・経営層のアドバイザー
・数字やフレームワークで意思決定を支援
・世界を股にかけるグローバルな仕事
うん、間違ってはない。でもそれだけじゃない。現実は──
・経営層だけじゃなく現場社員と毎日打ち合わせ
・データが揃ってないから泥臭いExcel作業
・海外出張よりクライアント常駐の方が多い
確かに(笑)
僕なんて、日系総合のDXプロジェクトで2カ月間「ユーザー研修資料」ばっか作ってました。
俺も外資総合で需給計画プロジェクトやったとき、データ移行を夜中までやったな。
同期はクライアントのサーバールームで極寒の中*、コードと睨めっこしていたこともあるらしい。
戦略だけ語ってる時間なんて1割くらいだ。
*:サーバールームは、ハイスペックなコンピュータがずらっと並んでいて排熱がすごいため、冷房ビンビンで数℃に保たれている
2. 実際の業務フロー(典型例)
コンサルの仕事って大きくは「課題発見→分析→提案→実行支援」のサイクルなんだよ。
プロジェクトの種類によって濃淡が変わりますよね。
そうそう。たとえば戦略案件なら“提案”で終わることも多いけど、総合系やIT寄りなら“実行支援”が7割とかになる。
僕のDX案件はまさにそれでした。上流の「あるべき業務設計」を出したあと、ひたすらシステム導入・テスト・トレーニング。
学生がイメージしてる「パワポ職人」って実は全体の一部なんだよな。
3. 業務のリアルな内訳
- (1) 分析
- Excelで売上データ・在庫データをひたすら整形
- AccessやSQLでデータ抽出
- グラフを作り、トレンドや異常値を確認
僕、マイクロソフトのAccessを触ったのはコンサル入ってからでした。
俺もだよ。大学では習ってなかったけど、いきなり「在庫3年分を突合して」って言われて徹夜した(笑)
- (2) 資料作成(パワポ)
- 経営層向けの提案資料
- クライアント現場向けの手順書
- 社内向けの進捗報告
パワポは就活生のイメージ通りですね。特に戦略系は、最終的にお客さんの手元に残るのがパワポだけなので、気合い入れて作りますよね。
でも実際は「伝わるストーリーにする編集力」が肝心。かっこいい図表だけじゃ意味がない。
- (3) 会議・調整
- 経営層レビュー:意思決定を得る場
- 部課長会議:業務要件を詰める場
- 現場説明会:変更内容を納得してもらう場
学生の頃は「経営者とだけ話す仕事」と思ってましたが、現場の方が圧倒的に多いですよね。
むしろ現場を味方につけられないと提案なんて実行されないからな。
- (4) 実行支援
- 新業務プロセスの導入サポート
- システム導入のテスト・データ移行
- 現場トレーニング・マニュアル作成
僕はここで体力削られました(笑)
でも、この経験を通じて「戦略をどうやって現場に落とすか」を学べるんだよ。これが総合系の強みだな。
4. ギャップあるある
就活生が驚く“あるある”って何があります?
いっぱいあるぞ(笑)
・「英語バリバリ使うと思ったら、日本語メールが9割」
・「データ分析のはずが、資料の体裁直しに3日」
・「経営戦略の議論より、クライアントの会議室の予約で苦労」
僕も「Excelで四則演算できれば大丈夫」と思ってたら、ピボット・マクロ必須で冷や汗かきました。
5. それでも面白い理由
ギャップがあって大変なのに、なんでコンサルって面白いんでしょうね。
俺はやっぱり「変化の中心にいられる」からだな。クライアントの会社が変わっていく瞬間に立ち会える。
分かります。僕もDX案件で「新システムで月次決算が5日早くなった」と聞いたとき、地味だけどすごく達成感がありました。
そう。華やかな戦略も泥臭い実行も含めて「企業を変える」実感があるからやめられないんだよな。
まとめ:就活生に伝えたいこと
就活生に一言で伝えるなら?
うーん、「パワポで戦略を考えるだけじゃない。Excelで泥臭く、現場と議論して、最後に会社を変える」だな。
ギャップも含めて知っておくと、入社後の驚きは減りますね。
そうそう。現実を知った上で「それでも挑戦したい」と思えるなら、コンサルは最高のキャリアだぞ。
案件別:コンサルの1日スケジュール例
先輩、就活生って「コンサルの1日ってどんな感じ?」って気になると思うんです。
あー、それめっちゃ聞かれる!じゃあ3パターン紹介しようか。
1.戦略案件(MBBに多いパターン)
- 9:00 チームミーティング(今日やること決定)
- 10:00 データ分析/市場リサーチ(Excelや外部レポート調査)
- 13:00 ランチしながら進捗共有
- 14:00 パワポで経営層向けスライド作成
- 17:00 マネージャーにドラフトレビュー、修正
- 19:00 クライアントの経営陣に定例報告
- 21:00 宿題整理/翌日の仮説設計
- 23:00 退社 or オフィスで再度分析
タイトですね……短期集中の“修行場”感があります。
うん。「毎日が中間発表」って感じだな。
2.業務改革案件(総合系に多いパターン)
- 9:30 クライアント常駐先に到着、朝会
- 10:00 業務フローの現状ヒアリング(現場担当者と議論)
- 12:00 チームランチ、雑談しながら課題感を共有
- 13:00 業務プロセス改善案の検討(Excelで試算など)
- 15:00 クライアントと改善策ワークショップ
- 18:00 資料にまとめ、翌日の合意形成用に整理
- 20:00 上司にレビュー、修正
- 22:00 残タスクがあれば対応して帰宅
現場との会話がすごく多いですよね。
そう。提案だけじゃなく現場を巻き込んで“納得”を作るのがキモだな。
3. IT導入案件(DX・システム系)
- 9:00 オンライン朝会(進捗・課題共有)
- 10:00 システムテスト(新機能の動作確認)
- 12:00 クライアントとランチしながら操作感のフィードバック
- 13:00 移行データの突合(Excel/SQLで検証)
- 16:00 ユーザー研修用マニュアルの作成
- 18:00 クライアントとのレビュー会(操作説明+質疑応答)
- 20:00 障害発生の対応(ログ解析など)
- 23:00 対応終了後、やっと帰宅
深夜にデータ移行で残ったときはしんどかったです(笑)
でもその経験があったから「戦略を現場に落とす難しさ」が分かるんだよな。IT導入は泥臭いけど成長はデカいぞ。
まとめ
こうやって見ると、同じ“コンサル”でも1日の中身が全然違いますね。
そう。学生がイメージしてる「エリートがパワポで戦略」ってのはほんの一部。実際は戦略もあれば泥臭い実行もある。そのギャップを知ってこそ、入社後のリアリティが持てるはずだ。
